Rivv(リヴ)って何者?!~転機と挑戦~②
こんにちは。
第1回は、「Rivv(リヴ)って何者?!~父ササキ屋の存在~①」をご紹介しました。
ササキ屋の経緯と、当時の私の心情をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。
第2回は、「転機と挑戦」についてお話ししたいと思います。
父のもとを離れ、地元の建設コンサルタントへ転職してからの日々を過ごす中で、あることをきっかけに再燃した物創りへの想い。
そして、「やはり、自身でも実現したい」と強く抱くようになり、改めて向き合い始めたところ、父とは別の方法で進むことを決断しました。
どうぞ一読していただければと思います。
転職先での日々
ササキ屋を辞め、地元の建設コンサルタントへ再就職してからは、慣れない仕事を覚えることに必死になっていました。
そして、入社して4年後。2011年3月11日の東日本大震災の影響により、私の地元である岩手県はインフラが崩壊。
建設業界はもちろんのこと、社会全体が大きく変化し、仕事に追われる日々が続いていました。
その頃は、すっかり釣りや父の仕事からは離れていたため、釣りへの熱はどこか薄れている状況だったのです。
人生の転機、そして再燃する物創りへの想い
そんな状況がしばらく続いていましたが、釣り熱が高まったきっかけは、個人のInstagram(現在のササキ屋のInstagram)に父の作品を投稿したことです。
コメントやDM で「ミノー使ってます」「滝沢の釣具屋さん時代に通ってました」など、たくさんのメッセージをいただきました。
さらに、友人や知人からも「ササキ屋ってお父さんだったの?」と連絡をもらうようになりました。
その時、私が思っていた以上に、父のミノーは皆様に知られているんだという事に気づき、父の偉大さを痛感したのです。
そして、もっと多くの人にササキ屋を知ってもらうためにも、アカウントを個人からササキ屋専用に変更して父の作品をアップし、ササキ屋に携わるようになりました。
仕事を続けながらも、SNSを通してお客さんから注文をいただいたり、直接ササキ屋のお客さんとの繋がりが増えていくにつれて、自然と生活の中に釣りが浸透していきました。
様々な関わりから刺激を受け、私自身薄れていた想いが徐々に再燃し始めたときに「父を超える物を創りたい」と思うようになり、バルサミノーの製作を始めました。
一度は挫折した物創りでしたが、自分の想像した(imagination)モノを創造させる(creativity)ことに興奮し始めている自分を発見したのです。
しかし、塗装までは見様見真似でそこそこ形となりますが、いざ川で泳がせても思うような泳ぎを得られず、試行錯誤を重ねたのですが、4,5年の開発期間を経て完成した父のミノーを超えられるものは、見つける事ができませんでした。
またしても、父の創ったミノーの凄さを感じました。

バルサミノーを製作した時の様子
その頃のササキ屋は、Instagramの影響もあり、お客さんからのオーダーも徐々に増えていったのですが、ハンドメイドミノーには生産数に限りがあり、やむを得ずオーダーストップしなければならない状況が続いていました。
「より多くの人に知ってもらいたいにも関わらず、生産数が追い付かない」という状況に、私自身が答えを導き出せずにひたすら悩んでいました。
しかしながら、「どうにか打開策はないか」「多くの人にササキ屋のミノーを使ってもらいたい」という気持ちは増すばかりで、もう一度挑戦し真摯に向き合うために、16年務めた会社を退職する決断をしました。
新たな試み、インジェクションミノーへの挑戦
そこで私は、父が創るササキ屋のバルサミノークオリティを持ちつつ、量産体制を整えて、より多くの人に知ってもらう方法としてインジェクションミノー化の開発することにたどり着きました。
私がルアー開発をするにあたりインジェクションミノーに対する考えは3つあります。
①生産性
②価格帯
③バルサ同様のアクションを再現
この3つについて、説明していこうと思います。
①生産性
インジェクションミノーの製作において、一番の利点は生産性です。
父の創るバルサミノーを、多くのアングラーへお届けるためには、量産という条件が必須であり、全国の釣具屋さんに置いてもらうためにも生産力を整えなければなりません。
ルアーメーカーとして継続するうえで、インジェクションミノーの生産性が重要となるため、素材はバルサではなくプラスチックを選びました。
②価格帯
ハンドメイドバルサミノーとインジェクションミノーの価格差は、概ね倍以上といったところではないでしょうか。
ハンドメイドミノーの製作は、多大な時間と労力が伴い、生産面がネックとなり多くのビルダーさんはこれに悩まされます。
バルサミノーは、1個4,000円前後の価格帯で、ルアーとしては高価商品ですが、時間と労力の観点でいうと1個10,000円の値段を付けても良いくらいだと思います。
父が創るササキ屋のミノーは1人で製作する現状、年間200個程度の生産量で供給量が追い付かない現状です。
ハンドメイドミノーの大量生産がネックであることから、インジェクションミノーで生産力を上げ、お求めやすい価格帯で販売し、より多くのアングラーへお届けできるようになります。
③バルサ同様のアクションを再現
素材が変われど、バルサ材の様なレスポンスを持つプラスチックミノーを作らなければ、インジェクション化する意味はありません。
しかし、泳ぎに大きく影響する高い壁が材質の違いです。
バルサ材は物質単体で水面に浮きますが、プラスチックは個体に空気を持たせないと沈んでしまいます。
この対極の性質を持った材質で同様のアクションの再現をしなければなりません。
バルサを削って試作品の製作経験はあるものの、父も私もプラスチックは初の試みで未知の領域ですが、妥協する選択肢はありませんでしたし、やるからには納得できるものを皆様に使ってほしいと思っています。
以上、私が考える3つの構想です。
インジェクションミノー化をするにあたって、泳ぎを再現することが一番難航すると想像はしていますが、多くの人に良さを知ってもらうために挑戦することを選びました。
次へ続く…
いかがでしょうか。
ササキ屋から離れ、さらには釣り自体からも離れていましたが、父と関わったことをきっかけに再認識した時期でした。
やはり、私の原動力は父であり、このことをきっかけに私の人生が一気に加速し、自分の想いを形にする方法を模索していくことになります。
それでは、次回もよろしくお願いします。
梅雨の増水から狙える絶好の機会を逃さないように、安全に気を付けながら素敵な週末にしましょう~✌