Rivv(リヴ)って何者?!~価値の差別化~③
一年の半分が過ぎ、あっという間に7月に突入しましたね。
第2回は、「Rivv(リヴ)って何者?!~転機と挑戦~②」をご紹介しました。
一時は、父や釣りから離れた時期もありましたが、想いを形にするべくたどり着いたインジェクションミノー化の開発への道。
泳ぎの再現に妥協することなく、多くの人に良さを知ってもらうためにも挑戦を決意しました。
第3回は、「価値の差別化」についてお話ししたいと思います。
インジェクションミノー化を実現させるため、父とは別の新たな事業として出発することになります。
それでは、よろしくお願いします。
価値の差別化
第2回「Rivv(リヴ)って何者?!~転機と挑戦~②」で、インジェクションミノー化するために3つの考えをご説明しました(もしまだ読んでない方は一読していただけると幸いです)。
①生産性
②価格帯
③バルサ同様のアクションを再現
このうち「①生産性」、「②価格帯」の2つのために、私が真っ先に始めたのは市場調査です。
量産を行わないハンドメイドミノー製品の大半は、フックが付かない状態でビニールパッケージや紙箱に梱包され、ミノーに重きを置いていると思います。
他社のインジェクションミノー製品を見て思ったことは、卸売りやショップ販売を行うために外観が整えられている事と、量産するための塗装方法や商品陳列を考慮したパッケージ等あらゆるところに仕組みがある事です。
ショップでの販売をするためには様々な準備を整え、パッケージまでしっかり作りこむ必要があります。
また、価格帯については渓流から本流用で概ね1,000~2,000円とお求めやすい価格帯に設定されています。
大手が販売する価格帯の設定は難しいですが、現在販売しているバルサミノーの半値程度で販売が可能ではないかと考えています。
そして、「③バルサ同様のアクションを再現」のために、父のバルサミノーを基に研究を開始し始めました。

理想とする泳ぎを再現させるために何度もテストを繰り返したプロト
今までは父のバルサミノーを当たり前に使っていましたが、ただ使うだけでは意味がなく、プラスチックミノーで同様の泳ぎを得るために徹底的に追及する必要がありました。
父のバルサミノーは、バルサの浮力を活かしたスリム型の物が多く、独特な形状から生み出されるスライドアクションや艶めかしいアクションが特徴です。
この形状とバルサ材の特性、ウエイト等の総体的な関係から唯一無二の泳ぎを生み出しています。
対するプラスチック材で全く同じものを設計し、いざ泳がせても案の定全く泳ぎません(そうですよね…)。
出来上がったプラスチックミノーの泳ぎを見て、至らない部分をリップや空気量、ウエイトの重さや位置などを予測して設計に落とし込み、泳がせ、改良し…の無限ループでした。
この時に、「①生産性」、「②価格帯」で得た情報は市場で確認できるものの、ミノーそのものは、市場に答えはなく、必要なことは自分のイメージと再現性、トラウトの反応、何よりもこれまでササキ屋のミノーを使ってきたアングラー達の声がすべてであり、答えはフィールドにしかないと確信したのです。
「求めるものは市場になく、すべてはフィールドと自分の想像にある」
これは、父のバルサミノーが開発されたときに再現された答えでした。

フィールドテストで釣れたヤマメ
そして、自分の想像した(imagination)モノを 創造させ(creativity)、少しずつですが求める泳ぎに近づき始めたときに、自分のふと思い悩んだことがあります。
「父が今まで築き上げたササキ屋ブランドと、私自身がこれから築こうとする物創りへの想いを別にするべきではないか」
「バルサミノーとインジェクションミノーの価値の差別化を図ることで、お互いの価値を高めてあっていけるのではないか」
そう考えたときに、新たなブランドとして立ち上げることで、バルサミノーと同様の価値を持たせながら、よりインジェクションミノーの広めることができるのではないかと想い始めたのです。
それは、ササキ屋の想いを継いだ私だからこそ伝えられるものもありますし、私のコンセプトや物創りへの想いを明確に伝えていきたいとも強く抱いたのです。
そして、私はインジェクションミノー化の挑戦に合わせて、新たなルアーブランドを立ち上げることも決断しました。
次へ続く…
いかがだったでしょうか。
インジェクションミノー化の挑戦と、価値の差別化を図るべく、新しいルアーブランドを立ち上げるというダブルの決断をしたお話しでした。
次回は、新しいブランド「Rivv(リヴ)」の中身をお話ししたいと思います。
ぜひ楽しみにしてもらえればとおもいますので、引き続きよろしくお願いします。
段々と暑さが増してきましたので、熱中症に気を付けながらよい週末を過ごしましょう~✌